突然ですが、ギタリスト・ベーシストの皆さん、機材が多すぎ&重すぎで困っていませんか?
mokeppi僕は困っています。
- 重いエフェクターボードを持って移動したせいで、スタジオに着いた時点で握力が消滅し、まともに弦を押さえられない
- カートで運んでも、階段がある場所が面倒くさすぎる
- 機材が増えると、音が出ないトラブルが起きたときの原因特定が大変
上記のような悩みから解き放たれるべく、なるべく軽くて、しかも安い機材を探して辿り着いたのが、今回レビューする「SONICAKE Smart Box」です。


このSONICAKE Smart Boxを、この2ヶ月間ガッツリ使い倒したので、下記の点を解説していきます。
- SONICAKE Smart Boxのスペックや特徴
- 良かった所、微妙なところ
- ギターやベースのサウンド
- どんな人におすすめか
僕と同じように、機材を減らしたいギタリスト・ベーシストの方や、ライブでもレコーディングでも使える小型マルチエフェクターを探している方、前作のPocket Masterの音をスタジオやライブで使いたい方はぜひ最後までお読みください!
SONICAKE Smart Boxのスペック・特徴


| A/D・D/A変換 | 24bit |
| サンプリングレート | 44.1kHz |
| S/N比 | 103dB |
| エフェクト数 | 130種類以上(最大9モジュール同時使用可) |
| プリセット | 100スロット(ファクトリー50 / ユーザー50) |
| 入出力端子 | IN(標準TS)、STEREO OUT(標準TRS)、PHONES(3.5mm)、EXP/FS(拡張ペダル) |
| デジタル端子 | USB 2.0 Type-C |
| 電源 | DC 9V センターマイナス / USB 5V / 内蔵バッテリー(2000mAh) |
| サイズ | 135mm (W) × 114mm (D) × 51mm (H) |
| 重量 | 378g |
主な特徴
- 豊富なサウンドバリエーション:130種類以上のエフェクトを搭載。最新の「ホワイトボックス・デジタルモデリング技術」(回路図に基づいた、部品レベルのシミュレーション技術)により、クラシックなアンプやペダルの質感を再現しています。
- 直感的な操作性:小型ながらカラーディスプレイと9つの独立したエフェクトボタンを搭載。PCを使わずとも、その場で瞬時に音作りが可能です。
- NAM & IR 対応:NAM(Neural Amp Modeler)やサードパーティ製のIR(キャビネットシミュレーター) を読み込み可能。プリセットでは作れない、自分好みのサウンドを構築できます。
- USBオーディオ機能も充実:2イン/2アウト、さらにループバックやリアンプにも対応。PCやスマートフォンへの直接録音もスムーズです。
- ワイヤレス&モバイル対応:内蔵リチウムバッテリー(2000mAh)により、最大約4時間のコードレス駆動が可能。Bluetooth経由でのアプリ編集やワイヤレスMIDIにも対応しています。
基本的な操作方法
プリセットの切り替え
プリセットの切り替え方法は2種類あります。
- フットスイッチでの切り替え:左を押すと1つ戻る、右を押すと1つ進む。
- 左上ノブでの切り替え:時計回りで進む、反時計回りで戻る。



フットスイッチだと1つずつ切り替わっていくだけなので、一気に移動したい場合はノブの方がラクです。
音作り
音作りをする際はまず、ディスプレイ下にあるボタンから、変更したいエフェクトを選びます。


- NR:ノイズリダクション(不要なノイズを減らす機能)
- FX1:エフェクト1(コンプ、ワウ、コーラス、フランジャーなど)
- DRV:ドライブ(歪み系エフェクター)
- AMP:アンプ
- IR:インパルス・レスポンス(キャビネット)
- EQ:イコライザー
- FX2:エフェクト2(コンプ、ワウ、コーラス、フランジャーなど)
- DLY:ディレイ
- RVB:リバーブ
ボタンを押した後、左上のノブを回してパラメータを選び、ノブを押し込んだあと、ノブを回すことでパラメータの数値やオン・オフを変えていきます。
セーブをする際は、右上の「SAVE」ボタンを使います。


- 短く押す:保存するプリセット番号、プリセットの名前、音量やBPMを変更できる
- 長く押す:プリセットが保存される
長押ししないと保存できないので、お気をつけください。
SONICAKE Smart Boxのメリット・良かった点


音の良さは十分
まず、一番重要なサウンドについてですが、個人的には十分良いと思います。



1万円台のマルチとは思えない、しっかりしたサウンドです!
音に関しては聴いてもらったほうがいいと思うので、演奏動画を撮りました。
ギターサウンドのデモ
どうでしょう?めっちゃよくないですか!!!
ちなみにギターだけでなくベース用のアンプやエフェクトもあります。
ベースサウンドのデモ



この値段でこの音が出るなんて、いい時代になりましたね…
どちらもSmart Box本体に内蔵されているアンプとエフェクターだけで作ったサウンドで、DAW等でエフェクトはかけていません。
簡単なレコーディングくらいならこのまま対応できるようなクオリティなので、弾いてみた動画を作りたい人などにもいいんじゃないでしょうか…!
金属製ボディなのにコンパクトで軽い
Smart Boxはライブやスタジオでの使用を想定しているので、ボディは堅牢な金属製。
ですが、持った感じはかなり軽く、実際重さを量ってみても、371gしかありません。


サイズは「135mm(幅)×114mm(奥行)×51mm(高さ)」で、片手に載るサイズ感。


それでいて、音やエフェクトの種類も十分なので、ギグバッグにこれだけ突っ込んでスタジオに行けるっていう圧倒的気軽さがめちゃくちゃいいんですよ!
バッテリー内蔵だが9V電源も使える
Smart Boxはバッテリー内蔵で、4時間ほど連続使用が可能です。



実際に使ってみても、それくらいは充電ナシでいけました!
ただ、気になるのが「バッテリーって劣化するから、いずれ使えなくなるじゃないの?」っていう点。
ですが、Smart Boxはその点もクリアしていて、USB Type Cや、9V DCで給電しながらの使用も可能なんです。


将来的にバッテリーがヘタってきたときや、そもそも万が一にも充電切れが起こってほしくないライブ時などは、普通のエフェクターと同じように給電しながら使えるので、安心感があります。
各エフェクト・アンプに物理スイッチが付いている
使い方の章でも書きましたが、Smart Boxには各エフェクトにちゃんと物理スイッチが用意されています。
ライブやスタジオで使う場合、その場でちょっと音を調整したくなるときがあると思うんですが、そんな時この物理スイッチがとても便利なんです。
細かい調整はスマホアプリの方がしやすかったのですが、いざというときのため、全パラメータが本体側でも調整できるのはありがたい限り。



下記のような使い分けがおすすめです!
- 本体での音作り:スタジオでのバンド練習やライブなど、とっさの調整をするとき。
- スマホアプリでの音作り:宅録やスタジオでの個人練習など、しっかり音を作り込みたいとき。
この価格帯で「NAM」と「IR」に対応



ここからはちょっとマニアックなお話です。
Smart Boxはこの値段で、サードパーティのNAM(Neural Amp Modeler)ファイルやキャビネットIRの読み込みに対応しています。
- NAM(Neural Amp Modeler):AIが実機アンプの歪みの質感や挙動を学習し、その音色をそっくりそのまま再現した最新のアンプデータ。
- IR(Impulse Response):スピーカーキャビネットの響きをデジタル化したもので、ライン録音の音に「マイクで鳴らしたような空気感」を与えるデータ。
ファイルはパソコン、スマホどちらからでも読み込み可能です。
パソコンから読み込む場合
パソコンからの場合は、パソコンにSmart Boxを接続した状態で、「Sonicake Manager」という公式ソフトから読み込みます。


上の写真のように、NAMは「Clone Manage」からImport、IRは「IR Manage」からImportボタンを押せば本体に保存できます。
スマホから読み込む場合
スマホからの場合は、「SONICLINK」という公式アプリを使います。
本体とスマホをBluetoothで接続したあと、SONICLINKでアンプやキャビネットを選択し、「クローンをインポート」「IRをインポート」から読み込めばOKです。


「NAM」と「IR」を使う際の注意点
Smart BoxでNAMとIRが使えるのは大きなメリットですが、この価格帯ということもあり、いくつか特有の制限があります。



購入前に知っておきたいポイントをまとめました。
- 保存できるのは各5つまで:本体に保存できるNAMとIRは、それぞれ最大5つまでです。
- NAMとIRの併用はできない:NAMとIRは併用できず、片方ずつしか使用できません。
- 「内蔵キャビネット」も使えなくなる :実はSmart Boxにプリセットされているキャビネットも内部的には「IR」扱い。そのため、NAMを有効にすると本体の内蔵キャビネットも自動的にオフになってしまいます。
NAMには「Full Rig」や「Combo」と呼ばれる、IRが含まれているデータがあるので、基本的にはそれを使用するようにしましょう。
もしくは実機アンプに接続し、リアルのキャビネットを使うという方法もあります。
フットスイッチが結構便利
ライブなどでは、「曲中のソロのときだけオンにしたいエフェクター」や「一部分だけ歪みエフェクターをオフにしてクリーンにしたい」っていう場面がありますよね。



Smart Boxはフットスイッチが2つしかないので、「プリセットの前後送りしかできないのでは?」と思われがち。
ですが、Smart Boxはちゃんとプリセット内でのエフェクトのオン・オフにも対応可能です!
やり方はエフェクトボタンを押して音作りモードにした後、左右のフットスイッチを押せば、選択したエフェクトのオン・オフを各フットスイッチに割り振ることができます。


それを保存した後、右側のフットスイッチを長押しすると、エフェクトのオン・オフができるモードになるので、そこで操作すればOKです。
ちなみに、各フットスイッチには何個でもエフェクトを割り当てることができるので、「一括でディストーションとリバーブとディレイをオンにする」みたいなこともできます。



フットスイッチ1と2に同じエフェクトを割り当てることも可能です!
「音切れするか」という点が気になる人が多いと思いますが、プリセット内でのエフェクトのオン・オフ時はほとんど気にならないレベル。
ちなみにプリセット自体を切り替える時の音切れもほぼ気になりません。
オーディオインターフェイス機能が便利
Smart Boxにはオーディオインターフェイス機能も付いているんですが、これが地味に便利。
- リアンプ機能があり生音を後から加工することが可能
- ループバック機能つきで生配信などにも使える
- スマホやタブレットに接続してそのまま録音可能



特にリアンプ機能が便利です!
まずはGLOBALボタンから「USB」を選び、「Mode」を「Dry」にします。


演奏録音時は「Re-amp」を「Off」にします。


オーディオインターフェイスとして使うために、専用のASIOドライバーをHOTONE(代理店)のサイトからダウンロードします。


そしてSmart Boxをオーディオインターフェイスとして認識させ、DAWでレコーディングしましょう。
※録音されるのは生音のみです
GLOBALボタンから「USB」を選び、「Re-amp」を「On」にします。


リアンプしたいトラックをソロで流しながら、別トラックにレコーディングします。
(同じトラックにレコーディングすると生音が消えてしまうので注意)
SONICAKE Smart Boxのデメリット・注意点
プリセットの音が使いにくい
まずちょっと気になったのが、ファクトリープリセットの音について。
これは好みにもよると思うんですが、個人的には「使いにくい音が多いなぁ…」と思ってしまいました。
具体的に言うと、飛び道具的なクセが強い音が多くて、「普通のギターサウンド」みたいなプリセットが少ないように思います。



プリセット番号1~10くらいまで弾いてみたので聴いてみてください。
1番の「Smart Box」というプリセットはまだしも、2番以降は「無理やり使えなくもないけど、使い所限られるなぁ…」みたいな音に感じちゃうんですよね。



全体的にリバーブが濃すぎるプリセットが多い点も気になります。
そのままレコーディングにも使えるようなドライめの音で、クリーン、クランチ、オーバードライブ、ディストーションあたりが最初に並んでいれば初心者さんでも使いやすいのに、と思ってしまいました。
音作りがやや難しい
個人的には、Smart Boxはやや音作りが難しく感じました。



理由をまとめると下記のような感じです。
- ノブが1つだけしかなく、本体での音作りが大変
- スマホのアプリも文字しかなくて実機の知識がある人向け
- アンプとキャビがセットになってない
- PCアプリでは音作りできない
- 複雑なルーティングができない
ひとつずつ簡単に説明します。
ノブが1つしかない
まず本体での音作りについては、ノブが1つしかないため、いちいちパラメータを選んでから量を調整する必要があります。


ノブが複数あるマルチエフェクターなら、「アンプを選んだ瞬間、5つのノブにGAIN、BASS、MID、TREBLE、PRESENCE等が割り当てられて、すぐに調整が可能になる」といった挙動が一般的ですよね。
一方でSmart Boxの場合は、「アンプを選んだあと、自分でGAINを選んで調整し確定、その後にBASSを選んで調整して確定…」といちいち自分でパラメータを選んでいく必要があり、ちょっと面倒です。
スマホアプリでも文字しかない
上記の理由があるので、基本的にはスマホアプリ経由で音作りをする方が簡単なんですが、そのスマホアプリでの音作りもちょっと難しいんです。
というのも、アンプやエフェクトの画像がなく、文字だけの表示なので実機の元ネタが分かりにくいんですよね。


最近のプラグインアンプやエフェクターは、実機ぽい画像が使われていることが多いです。


こういうソフトなら、「ああ、このアンプはフェンダーのツイードのやつね」とか「あー多分これはチューブスクリーマーだな」と分かり、見ただけで何となく音の傾向も分かります。
一方でSmart Boxは文字しかないので、パッと見で何が元ネタなのか分かりにくいのが難点です。
PCアプリでは音作りできない
Smart Boxはパソコンでの専用ソフトがあるものの、NAMやIRの読み込みしかできず、パソコンでの音作りはできません。
オーディオインターフェイスとして使用する場合も、本体かスマホソフトで音作りする必要があります。
アンプとキャビネットがセットになってない
もう1つ音作りをしていて地味に面倒くさいなと思った点があり、それはアンプとキャビネットがセットになっていないということ。
一応「アンプAに対応するキャビA」はちゃんと入っているものの、アンプを選んだときに自動でキャビが変わってくれないんです。
なのでアンプとキャビを実機と同じようにセットにしたい場合は、アンプを選んだあと、キャビもいちいち手動で変える必要があります。





これが地味に面倒くさい…
多分「とりあえずマーシャルのアンプを選んだら、それに対応するマーシャルのキャビを出して欲しい」みたいな人が多いと思うので、アンプを変えたらキャビも自動で変わってくれるようになって欲しいです。
複雑なルーティングができない
これは「音作りが難しい」というよりも、「こういう音作りはできない」といった話になりますが、Smart Boxは全てのアンプやエフェクトが直列繋ぎしか選べません。



もちろん本体にセンドリターン端子はありません。


「空間系エフェクターだけにEQをかけてローカット」とか、「Smart Boxの歪み→別機材のアンプシミュレーター→Smart Boxの空間系」みたいなことはできないので注意してください。
エフェクトボタンを間違えて踏んでしまうことがある
メリットの部分で挙げた、本体にあるエフェクトボタンですが、間違えてフットスイッチと一緒に踏んでしまうことが数回ありました。
僕だけかもしれないんですが、足の裏の真ん中よりやや上の部分で踏むと、つま先が丁度エフェクトボタンの位置になっちゃうんですよね。


誤操作しないように、つま先で踏んだ方が安全だと思います。
ややレイテンシが高い
Smart Boxはレイテンシが5msほどあり、一般的なマルチエフェクターに比べてやや高めです。



一般的には2~3msのことが多いです。
とはいえ、5msってアンプから約1.4m離れて弾いたのと同じくらいの遅延なので、弾いた時にはほとんど違和感がないレベルだと思います。
困るケースとして考えられるのが、他のデジタル機材と併用した時です。
レイテンシは足し算なので、他のデジタル機材と直列で繋いでいくと、どんどんレイテンシが増えていきます。
一般的に20ms前後から遅れている感じが強くなってくるので、他のデジタル機材との併用を考えている方は一応頭に入れておいてください。
中級者以上で「機材を減らしたい人」に超おすすめ


さて、ここまでメリット・デメリットを書いてきましたが、僕はこのSmart Boxを機材を減らしたい中級者以上のギタリスト・ベーシストにこそ激推ししたいと思っています。
というのも、初心者の頃って、「エフェクターの数=戦闘力」だと本気で思い込んでいる時期がありますよね。



僕もギター初心者の頃は、エフェクターボードが重ければ重いほど、デカければデカいほど、カッコいいと思っていました。
そんな自意識だけ肥大化した初心者にとって、安いマルチエフェクターは初心者丸出しの恥ずかしい機材。
「マルチ使うなら、最低10万円以上の高級マルチじゃないと…」みたいな価値観を持っていた人も多いんじゃないでしょうか?
しかし、月日は流れ、中級者の階段を登り始めると、ある残酷な真実に気付きます。
機材が重いと移動がつらすぎる。マジで。
そうなんです。経験を積み、何度もスタジオやライブハウスに通うようになると、エフェクターがぎっしり詰まっている、見せかけの「強そうなボード」に意味を感じなくなるんです。
そして、中級者以上になると当然耳が肥えてきます。
耳が育ったからこそ、最近の安価なマルチの驚異的な進化に気づき、「安いし軽いし音も十分。これでええやん」という真理にたどり着くんです。
Smart Boxは確かに、本体での音作りがちょっと面倒という欠点があるのは事実。
でも、中級者以上なら多少見にくいUIを目の前にしても、「あぁ、ここをこうすれば多分こう鳴るな」と、長年の勘でねじ伏せることができる技術をすでに持っています。
それに冷静に考えてみてください。
ライブや練習で使う音なんて、結局「クリーン」「クランチ」「ディストーション」とか、そういうオーソドックスなものがせいぜい5種類くらいあれば十分じゃないですか?
50個もプリセットが保存できたとして、実際に使うのはそのうちの5個くらいというのが実際のところ。
音作りが多少面倒だったとしても、よく使う音を最初に5種類くらい作り込んでしまえば、あとはスタジオやライブハウスで微調整するだけなんです。



つまり面倒なのは最初だけ。
あと、「最低限の機材しか使ってないのにめちゃくちゃ上手い」っていう方が、なんか渋くてカッコよくないですか?
Smart Boxは、そんな境地にたどり着いたギタリスト・ベーシストにこそ、超おすすめしたい機材です。
楽しい音楽ライフをお送りください!


ということでこの記事では、SONICAKE Smart Boxのレビューをお届けしてきました。
小型マルチエフェクターを探している人にめっちゃおすすめなので、ぜひ皆さんも使ってみてください。



この記事が皆さんのエフェクター選びの参考になれば嬉しいです!










